・・・と、その前に収穫の話とか7月以降のまとめ記事とか書かなきゃいけないような気もしますがw、これからは日に日に夜が長くなっていきますから、まぁ、なんというか、いつもの如しで・・・・・。
先月はインフル疑惑によって三日も仕事を休まされてしまった為、実は今月は生活費がかなりヤバイww。でも今回はどうしてもこのタイミングで行かなければいけない場所だったこともあり、前日夕方の一人作戦会議(数秒)の末に「明日の食扶持など知らん、腹減ったら塩でも舐めてろ」というような心理状況になりまして・・・^^。
藤本農園余市・・・・・寒冷な北海道の中でも、この辺りは対馬海流の影響で比較的温暖で、古くからリンゴを始めとした果樹栽培が盛んな所として知られています。道内では「果樹王国」と形容される事もありますね。因みにニッカウヰスキーも毛利衛さんの出身地も余市町ですw。
・・・で、葡萄の栽培に関してもやはり活発で数多の農家さんがいらっしゃるわけですが、実はこの町に、その筋(←ワイン業界ですよ^^)では葡萄栽培の
「匠」としてその名を知られたお方の農園がありまして、それが今回
この僕が休みに苦手な早起きして、それ以上に苦手な電話でアポ取りまでしてでもww お邪魔した藤本農園、園主は藤本毅さん。
以前はリンゴを栽培していたのですが、昭和60年より葡萄・・・それもワイン醸造用の欧州系品種の栽培に切り替え、現在では
北海道ワインの契約栽培農家として生計を立てています。当時はまだ欧州品種の日本での栽培技術など確立されていませんでしたから、きっと数多の試行錯誤を重ねてきたのでしょう・・・・・それが今では「匠」とまで称される存在になり、その葡萄のみを使用しその名を冠したワインまで販売されるまでに至っています。
このパンフレット(3ページ目)の中に顔写真が載っているんですが、この写真の印象だと、(失礼ながら)ちょっと怖そうな人なんじゃないかな・・・って思ってしまいませんか??(笑)、職人気質というのか・・・。。。
歩いてたらきっと手と足が一緒に出てしまうであろう緊張感をみぞおち周辺に感じつつも^^、札幌を越え小樽も越えて車を走らせる事二時間半。途中コンビニで少々時間調整して、約束していた九時キッカリに農園到着。
さ て ・ ・ ・ 。
頃は収穫シーズン真っ只中。「余市の葡萄(の成り)は一度見ておいたほうがいいよ」と今まであちこちで耳にしてきましたが、その成りのよさを実際にこの目で確かめに行きたければ
いくら明日の食い物に困ろうがw どうしてたって今しかないわけです。
とはいえ、愚図ついた天気がここ最近続いている中で、貴重な雨間を縫って収穫している最中にズケズケとお邪魔しに行くわけですからw、文字通りというか文字以上に“お邪魔”な存在である事はもう間違い無いわけでして・・・^^;。
・・・いやぁ・・・緊張するわぁ・・・どぉしよぉ・・・・・
帰ろうかなw
※メルヘンチックな看板が藤本さんのキャラとはそぐわないのだが・・・って思ったことはナイショw。ピンポン押しても反応がないという事は、やっぱり畑に出てるな・・・畑って言っても広いよな・・・う~~ん・・・
帰ろうかなwwなどと玄関先でモジモジやっていると何故か10t車が入ってきて、それに合わせるように葡萄のコンテナを満載したトラクターに乗った人がやってきた。 どーする???・・・って、声かけるしかないが

。
僕:「あの~・・・○▲ワイナリー農場研修生の・・・」
兄:「あぁぁ~~そうでしたか、どうもお世話になって・・・」
あれ??、
ジャマだぞオマエとか言うんじゃないの???・・・う~~むコレが○▲の力なのか・・・・・
僕:「実は赫々云々でして・・・」
兄:「あぁそれでしたらすぐ裏手で収穫やってますから行ってみてください、問題ありませんので」
(※この方は藤本さんの義息さんと後に判明)
フゥ~~、なんか一気に拍子抜けしてしまった(笑)。 こうなると僕のいつもの厚かましさが段々と前面に押し出されてくるわけでww、程なく畑で収穫中の藤本さんを発見!!。
僕:「すいません収穫でお忙しい所・・・昨日お電話した○▲の・・・」
藤:「おぉぉ~~~来たか来たか、ハッハッハッハッハ

、ハッハッハッハッハッハッハッハ


・・・・・」
えっ? 何で???実はメチャクチャ温和な方なんです

。噂には聞いてはいましたがここまでとは・・・

ヨカッタ・・・。。。
そこからは収穫の手を休めていただいた上に直々に園内を案内していただけたのですが、とにかく隅々まで手入れの行き届いた畑、うわさ通りのたわわに実った葡萄(それでも例年の六割程度らしい)、そして余市という土地の地のり等々・・・・・僕のような基礎レベルの知識も乏しいような人間にもわかりやすく案内してくれたのですが、その間何と
三時間!!!。
さすがのKYの僕でもwお時間的にちょっとマズいよな・・・と途中で何度か思ったんですよww。なので、口惜しくもこの辺で話を切ろうと試みた瞬間は何度か有ったはずなんですが、その度に何故か何となく話がつながっていってしまい、気がついたらお昼の十二時^^;。。。
じゃぁ昼休憩だからという事でお開きになったんですが、別れ際も
藤:「今日は特別だからなw、今度来たら手伝えよww、ハッハッハッハッハ

、ハッハッハッハッハッハッハッハッハ・・・・・・・・


。」
・・・ということで、本当に温和で優しく、加えてよく笑うw 何とも素敵な方でした。
※とにかく葡萄がキレイで、しかも沢山結実しています!!!。惚れ惚れするくらいキレイ・・・。お話を伺っていて感じた事は、会話の流れが基本的に「これこれは、こんなだから、こう」という風に理路整然としているという事で(故に話もわかりやすかったんだと思います)、畑の管理状態にも如実に現れていますがとにかく無駄が無い。余市のみならず国内、海外のあらゆる地域の特性をよく研究・把握していて、「日本でリースリングがやりたいなら北海道はダメ、せめて青森までは下らないと・・・」、「○▲の土壌構成はこうだから、この品種はこの時期にこうすると・・・」、「アルザスのトラミーナの場合は・・・」とかいうことが、その裏づけとなる細かな数値データまでをも含めて即座にポンポン会話の中に出てくるという。。。
まさに「円熟」と言う言葉がふさわしいと思いました。
もう今年から年金もらうような年齢だというのに(失礼w)、今でも新しい道具、技術、品種、といったものを積極的に研究し取り入れようとしている姿勢、こういう所も皆から尊敬を集める所以なんだろうなぁ。。。
※収穫の際にイスとして使う手押し車、なんかカワイイw。でもコレ、もの凄く疲れを軽減してくれる優れものです。余市ワイン道中、藤本さんちのすぐ近くにあるということで立ち寄ってみただけでして^^、今回は詳細について全然調べておりません。。。
1974年設立と結構歴史のある所ですし、シッカリ調べた上でまた後日伺う事にします。よって今回は写真のみで割愛させていただきますm(_ _)m。
※とは言いつつも、試嗅(???)の上で樽熟ツバイのハーフを一本入手しておきました。開けるのが今から楽しみww。松原農園更に車を走らせる事一時間半・・・仁木を超え倶知安を越えニセコも越えてはるばるやってきました蘭越町。自宅からと考えれば実に四時間も走ってきた計算になります(約210km)。それでも行くに値する、いや本当なら毎月にでも行きたいくらいの場所なんですが、さすがに毎月は迷惑かな・・・?。
※何故かこんな写真しかない・・・・・。写真は松原さんの自宅前にて。おとーさん犬^^(ポンタ)はとっても人懐っこくて・・・っていうか、話に集中しすぎてしまって見事に畑等の写真取るの忘れてました

。
(※実はこの写真も去年の九月のものでして・・・^^)
ここへやってくるのは今回で三回目。あんまりこういう小僧もいないのか、松原さんも何となく僕の事を覚えていてくれたようで、開口一番「う~~ん、だいぶ農夫らしくなってきたね」と・・・(笑)。今の僕にとって、こんなに嬉しい誉め言葉は無い!。 ま、裏を返せば去年は相当頼りなく映っていたという事ですがネ。。。
僕がワイン作りの勉強したさに北海道にやってきたのは去年の9月下旬。レンタカーを借りて空知エリアを中心に各ワイナリーへローラー攻撃を仕掛けていたのですが、その折にここ松原農園にもやってきています。ちょうど収穫前のクソ忙しいときだったというのに松原さんは親身になって僕の話を聞いてくれて、さらに知り合いのいる北海道ワインに「こんなのがいるんだけど・・・」と電話でアポまで取ってくれて、その足で向かった北海道ワインでは製造部長の古川さんから直々に(二時間も!)道内のワイン事情等のお話も聞く事が出来・・・・・結局その口利きがあったが故に巡り巡って僕は今の畑で研修生などという生意気な身分でいられるわけです。
ですから、僕が今北海道にいられるのは松原さんのおかげだと言ってもいいわけです。
逆にいえば、松原さんのような人がいたから、山梨でもなく山形でもなく北海道!!と改めて思えたのかもしれません。。。
今回松原さんにお会いして感じたのは、少し痩せたかな?ということともう一つ、「何だか嬉しそうだな」ということだったんですが、その理由は帰りがけの会話で、そして帰宅して「松原農園だより」を読んで理解できました。 ・・・知らなかったとはいえ、ちょっと失礼な事言っちゃったなぁ。。。見てないとは思いますが^^、お気を悪くされたようでしたらゴメンナサイm(_ _)m、僕は生粋のKYです

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Nakazawa Vineyard の中澤さんも以前言っていたんですが、松原さんとは話しているだけで気持ちが元気になってくるし、何気ない会話の中に無数のヒントをくれる、本当にそういう人です。お邪魔だったでしょうに二時間近くも時間を取っていただき、僕が聞こうと思っていたことをはるかに越える情報量をいただきました。この冬は農業の基礎的な部分からしっかり勉強して、来年はもう少し高度な話が理解できるようになって、また来ます^^。
お邪魔でしょうがww。
帰り際に松原さんのワインを二本買い、余市の定番w柿崎食堂でほっけ定食(冬より百円安くなってたw¥450也ww)を食べ、自宅にたどり着いたのは夜の八時。長い一日でしたが充実度は計り知れないものがありました。
ちょと言葉では表現しづらいですね、今の心境は。でも、少なくとも今自分が歩んでいる道に間違いは無いということが実感できました。
そして、やればやるほど道のりは果てしないなぁ~~とも改めて思いましたね

。